起業のリスクと不安を抑えるために、事業計画以上に効果的な方法

計画をたてるイメージ

「独立・起業して、家族の生活を守っていけるのだろうか・・・」

 私は30歳のころから、いつかは独立・起業をしたいと思ってきました。そのころから、そして起業して3年経つ今でも頭にあるのが、この不安です。

 起業のリスクは人によってとらえ方が違いますが、おおむね計画通りの売上・利益が確保できるか、ということだと思います。私にとっての計画通りの売上・利益は、家族の生活を守れる収入を確保し、会社が黒字であることです。この売上・利益が実現できない状態が続き、家族の生活が守れなくなることが私の起業に対する不安のもとです。

 起業リスクを抑える1番の方法は、事業計画を納得いくまで練ることです。この手のことは起業関連の書籍やセミナー、ネット上記事によく書かれています。ですが、起業時の事業計画に確信をもてる人はほとんどいないのではないでしょうか。

 この記事では、起業のリスクと不安を抑えるのに事業計画を作ること以上に効果的な方法を記載しています。ぜひご覧ください。

目次

起業リスクの主な要因は、現状の生活レベル

 起業を考えるとき、どうしても「業(仕事内容)」が中心になります。もちろん、「業」が売上・利益・収入の源泉ですので、一番に考えるべきことです。

 ですが、「業」の維持には生活の維持が必要です。

 まだ若く、扶養家族もいないのであれば、仕事内容を考えるだけでいいかもしれません。仕事がうまくいかなくても、自分の生活コストを下げれば、生活の維持に必要な収入は下がりますし、再起(廃業して就職や再度の起業)も比較的容易です。

 一方、30歳代後半にさしかかり、結婚して子供もいるとなると、住居費、水道光熱費、教育費などの固定費は高止まり、さらに見直しも難しくなり、食費や交際費など変動費も見栄や情など心理的要因で簡単に下げることが難しくなるのが実情です。また、再起を図ろうとしても(人によりますが)、起業前より給料が上がることは多くないでしょう。

 つまり、年齢が高く、扶養家族が多く、生活コストが高い人ほど、起業リスクは高くなります。年齢や扶養家族の数は管理できないので、生活コストを管理することが起業リスクを抑えるための残された方法になります。

「biz-life planning」

 生活コストを管理するといっても、具体的にどれくらいの金額にする必要があるのでしょう。

 それには「現在の収支」「将来追加が想定される支出」「現在の貯蓄」の一般的なライフプラン情報に加え、「起業で想定される最低ラインの売上・費用(将来の収入)」を分析する必要があります。つまり、事業の収支と生活の収支を同時に分析する『biz-life planning』が必要なのです。

 文字にすると単純ですが、実際に数値化するには考慮すべきことが多く、一般給与所得者に対するライフプランニングに加え、事業経営に関する知識や経験が求められます。

 この分析によって生活コストの下げ幅が計算されます。その下げ幅が非現実的であれば、許容できる下げ幅において、不安を払拭できる準備金額(貯蓄額)を計算します。経験上、多くの場合、準備金が必要になります。

 さらに、その生活コストは一時的に下げればよいのではなく、下げた状態を維持することが求められます。実際に生活コストが維持できるかどうか、半年程度はテストしましょう。準備金が必要であれば、必要な期間で必要な金額まで積み立てられるように、定期的に確認していきます。

起業してからの計画変更はよくある

 事業計画を練りに練って、いざ実行しても計画通りに行かないことがあります。むしろ、起業してからしか得られない情報によって、あるいは起業後の競争環境・社会環境の変化によって計画を見直すことがほとんどです。

 事業計画を立てることで、実績との乖離に気が付き、素早く計画変更の検討が可能になります。ですが、計画と実績の乖離度合いや準備金の多寡によって、実行できる計画は変わってきます

 準備金があれば、時間をかけてリスキリングによる能力向上が図れたり、顧客再設定とそれにあわせた広報が打てたりなど、計画変更と実行が可能になります。

 一方、事業計画の変更に耐えられる状況にないと、少しでも売上を作る必要があるので、ジリ貧の事業を続けざるを得なくなってしまいます。

 生活コストを引き下げ、準備金を用意しておくことによって、取りうる対策が変わってくるのです。

起業する前にbiz-life planningをしよう

 中小企業診断士として活動を始めて3年、それなりに多くの起業家・起業希望者の経営相談を行ってきました。相談者の中には、現在の延長線上に明るい未来は見えないのに、その線上から外れることができない人が多数おられます。

 それらの人が、もうやり直しが効かないとは決して言いませんが、起業前にbiz-life planningをやっておけば比較的容易に計画変更と実行ができたのではないかと強く感じています。

 当サイトでは、起業を検討されるかたのライフプランニング『biz-life planning』に必要な情報を専門的に、網羅的に提供していきます。他の記事もぜひご参照ください。

 また当社は、起業を将来的に検討している方に対する『biz-life planning』のサポートも事業として行っております。ご希望の方は「サービス内容」をご覧ください。

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